ビリーヴ|スプリンターズS|歴代の勝ち馬の思い出

ビリーヴの名勝負|2002年スプリンターズSと短距離女王の記憶

ビリーヴは、2002年のスプリンターズステークスを制した名牝です。

この年のスプリンターズSは、例年の中山競馬場ではなく新潟競馬場で開催されました。直線でアドマイヤコジーンとの競り合いを制し、1番人気に応えてGⅠ初制覇。翌2003年には高松宮記念も勝ち、春秋のスプリントGⅠを制しました。

さらに、繁殖牝馬となってからは息子のジャンダルムが2022年のスプリンターズSを勝利。母が新潟、息子が中山と舞台は異なりますが、20年の時を超えて母子で同じ短距離GⅠの優勝馬に名を刻んでいます。

この記事では、過去に作成した回顧記事を再編集し、ビリーヴの名勝負、2002年スプリンターズSの結果、私自身の馬券の思い出、血統、産駒をまとめました。

※当ページにはアフィリエイトプログラムが含まれています。レース結果・時計・着差はJRA公表資料を基に掲載し、「思い出」の部分には筆者個人の記憶と感想を含みます。

この記事のポイント

  • 2002年スプリンターズSは新潟芝1200mで開催
  • ビリーヴは1番人気で、アドマイヤコジーンに半馬身差で勝利
  • 2003年高松宮記念も制し、春秋スプリントGⅠを制覇
  • 現役最後の2003年スプリンターズSはデュランダルとハナ差の2着
  • 産駒ジャンダルムが2022年スプリンターズSを勝ち、母子制覇を達成

ビリーヴとは|プロフィールと血統

ビリーヴは1998年4月26日生まれの鹿毛の牝馬。父サンデーサイレンス、母グレートクリスティーヌ、母の父Danzigという血統です。栗東・松元茂樹厩舎に所属し、JRAの記録では国内外を合わせて28戦10勝。総賞金は4億6,031万3,000円でした。

ビリーヴの基本情報
生年月日 1998年4月26日 性別・毛色 牝馬・鹿毛
父 サンデーサイレンス 母父 Danzig
母 グレートクリスティーヌ 調教師 松元茂樹(栗東)
生産牧場 上水牧場 通算成績 28戦10勝

父は日本競馬を大きく変えたサンデーサイレンス。母父Danzigは世界的なスピード血統として知られます。ビリーヴは、サンデーサイレンス産駒らしい勝負強さと、母系から受け継いだ短距離適性を結果で示しました。

兄弟姉妹に中央競馬で3勝以上を挙げた馬は見当たりません。だからこそ、ビリーヴ自身が競走馬として残した実績と、その後に母として築いた牝系の価値が際立ちます。

ビリーヴの主な重賞勝利

  • 2002年 セントウルステークス(GⅢ)
  • 2002年 スプリンターズステークス(GⅠ)
  • 2003年 高松宮記念(GⅠ)
  • 2003年 函館スプリントステークス(GⅢ)

GⅠは2勝。秋のスプリンターズSと春の高松宮記念を制し、当時の中央競馬における芝1200mの二大GⅠを勝っています。2003年度にはJRA賞最優秀4歳以上牝馬に選出されました。

ビリーヴが短距離女王になるまで

現在では「スプリントGⅠを2勝した名牝」として知られるビリーヴですが、若い時期から短距離重賞を勝ち続けていたわけではありません。

3歳時の2001年は芝1200mの3歳500万下と醍醐特別を勝利。一方、フラワーカップは8着、ファルコンステークスは9着でした。芝1600mでも好走はありましたが、勝ち星を重ねたのは主に芝1200mです。

転機となったのは4歳の2002年。淀屋橋ステークスを勝ったあと、京王杯スプリングカップでは3着。テレビ愛知オープン7着を挟み、夏の佐世保ステークスから北九州短距離ステークス、セントウルステークス、スプリンターズステークスまで芝1200mで4連勝しました。

2002年夏からスプリンターズSまでの4連勝
日付 レース 競馬場・距離 騎手 結果
7月20日 佐世保S 小倉芝1200m 福永祐一 1着
8月17日 北九州短距離S 小倉芝1200m 岩田康誠 1着
9月8日 セントウルS 阪神芝1200m 岩田康誠 1着
9月29日 スプリンターズS 新潟芝1200m 武豊 1着

条件戦から一気にGⅠまで駆け上がった点が、ビリーヴの競走生活の大きな特徴です。完成した短距離馬が順当にタイトルを手にしたというより、4歳夏に勢いをつけ、そのまま頂点まで到達しました。

名勝負① 2002年スプリンターズS|新潟でつかんだGⅠ初制覇

2002年9月29日の第36回スプリンターズステークスは、新潟競馬場の芝1200mで行われました。通常の中山開催ではなく新潟開催だったため、歴代のスプリンターズSを振り返る際にも目に留まる一戦です。

ビリーヴは4番枠から発走し、単勝2.2倍の1番人気。2番人気は同年の高松宮記念を勝っていたショウナンカンプ、3番人気は安田記念勝ち馬アドマイヤコジーンでした。

JRAの通過順によると、ビリーヴは3コーナー、4コーナーとも3番手付近。先行するショウナンカンプとアドマイヤコジーンを見ながら進み、直線で前を捉えました。結果は1分07秒7。2着アドマイヤコジーンに半馬身差、3着ショウナンカンプにはさらにクビ差でした。

2002年スプリンターズS 上位3頭
着順 馬名 騎手 タイム 人気
1着 ビリーヴ 武豊 1分07秒7 1番人気
2着 アドマイヤコジーン 後藤浩輝 1分07秒8 3番人気
3着 ショウナンカンプ 藤田伸二 1分07秒9 2番人気

逃げ馬を射程に入れたレース運び

逃げたのはショウナンカンプ。アドマイヤコジーンが続き、ビリーヴはその直後で運びました。スプリント戦では前半の位置取りが結果を大きく左右しますが、ビリーヴは速い流れに対応しながら、最後まで脚を残していました。

レース全体のハロンタイムは12秒2-10秒6-10秒9-10秒9-11秒4-11秒7。前半600mは33秒7、後半600mは34秒0です。これは各馬個別のラップではありませんが、前半から緩みの少ない流れだったことが分かります。

直線で抜け出したあとも、外から迫るアドマイヤコジーンを退けました。人気上位3頭で決着したレースでありながら、勝負どころではわずかな判断と脚力の差が明暗を分けています。

なぜ2002年は新潟開催だったのか

スプリンターズSといえば中山芝1200mのイメージが強いですが、2002年は中山競馬場の改修工事に伴う開催日程の変更により、新潟で行われました。そのためビリーヴは、GⅠ昇格後のスプリンターズSにおいて例外的な舞台で勝った馬としても記憶されます。

新潟芝1200mは左回り。通常の中山芝1200mは右回りの外回りコースです。同じ1200mでもコース形態は異なります。歴代優勝馬をコース適性の視点で比較する場合、ビリーヴの2002年だけは開催場の違いを踏まえて見る必要があります。

2002年スプリンターズSの公式結果を確認する(JRA)

私の思い出|買えなかった3連複810円

このレースを思い出すと、ビリーヴの勝利と一緒に、自分の馬券の失敗もよみがえります。

当時の私の自宅投票環境では、3連複を買える準備が整っていませんでした。現在のように、スマートフォンからすぐに券種を選んで購入できる時代ではありません。電話投票やパソコン投票を利用するにも、事前の手続きや機器、ソフトへの対応が必要で、私はそれを後回しにしていました。

その結果、買ったのはショウナンカンプからの馬連。ショウナンカンプは3着だったため、馬券は不的中でした。

上位3頭は1~3番人気で決着

1着ビリーヴ、2着アドマイヤコジーン、3着ショウナンカンプ。3連複④-⑨-⑪は810円で1番人気でした。

もし3連複を1点で買っていれば的中していた――。もちろん、実際に買っていない馬券は当たりではありません。それでも「準備していれば買えたかもしれない」という悔しさは、長く競馬を見ていると不思議なくらい残ります。

高配当を取り逃した話ではなく、払戻金は810円。それでも記憶に残っているのは、金額よりも「人気3頭の組み合わせを考えていたのに、選べる券種が足りなかった」という経験があったからです。私にとって2002年のスプリンターズSは、ビリーヴの名勝負であると同時に、馬券を買う環境を整える大切さを知ったレースでもあります。

名勝負② 2003年高松宮記念|春秋スプリントGⅠ制覇

スプリンターズSを勝ったあとのビリーヴは、香港スプリントに遠征して12着。帰国初戦の2003年阪急杯も9着でした。前年秋の勢いだけを見れば、少し不安の残る形で高松宮記念を迎えています。

2003年3月30日、中京芝1200m。ビリーヴは3番人気で、安藤勝己騎手が騎乗しました。1枠1番から好位につけ、直線で抜け出してサニングデールに1馬身差。1分08秒1でGⅠ2勝目を挙げました。

2003年高松宮記念 上位3頭
着順 馬名 騎手 タイム 人気
1着 ビリーヴ 安藤勝己 1分08秒1 3番人気
2着 サニングデール 福永祐一 1分08秒3 2番人気
3着 リキアイタイカン 武幸四郎 1分08秒5 10番人気

前年秋のスプリンターズSだけで終わらず、翌春も短距離GⅠを勝ったことは、ビリーヴを語るうえで非常に重要です。競馬場も騎手も異なる条件で結果を残し、一時的な好調ではなく、短距離の頂点に立つ能力を改めて示しました。

2003年高松宮記念の公式結果を確認する(JRA)

名勝負③ 2003年函館スプリントS|56kgで見せた横綱相撲

2003年夏、ビリーヴは函館スプリントステークスに出走しました。高松宮記念後の京王杯スプリングカップは8着、安田記念は12着。1400m、1600mで敗れたあと、得意の1200mへ戻ってきた一戦です。

ビリーヴは56kgを背負いながら1番人気。好位から抜け出し、2着アグネスソニックに2馬身差をつけ、1分09秒3で勝利しました。GⅠ馬として斤量を背負い、人気に応えた点に価値があります。

ビリーヴの強さは、速い時計が出る平坦なコースだけに限られません。新潟、阪神、中京、函館と、異なる競馬場の芝1200mで重賞を勝っています。コースが変わっても好位で流れに乗り、直線で脚を使える安定感がありました。

続くセントウルSでは57kgを背負い、テンシノキセキと同タイムのハナ差2着。敗れはしたものの、重い斤量で最後まで競り合った内容は、引退前の能力が衰えていなかったことを示しています。

名勝負④ 2003年スプリンターズS|デュランダルとハナ差の引退戦

2003年10月5日、中山芝1200m。連覇を狙ったビリーヴは1番人気に支持されました。前年は武豊騎手とのコンビでしたが、この年は高松宮記念から手綱を取る安藤勝己騎手が騎乗しています。

ビリーヴは先行集団から抜け出し、勝利まであとわずかというところで、後方から追い込んだデュランダルが迫りました。2頭の走破時計はともに1分08秒0。写真判定の末、デュランダルが1着、ビリーヴはハナ差の2着でした。

連覇は届きませんでした。しかし前年のスプリンターズS、高松宮記念、函館スプリントSを勝った牝馬が、現役最後のレースでも新しい短距離王とゴール前まで競り合った。その敗戦は、ビリーヴの評価を下げるものではありません。

2002年は前で運ぶ有力馬同士の争いを制し、2003年は後方一気のデュランダルにハナ差で屈する。2年のスプリンターズSを並べると、スプリント戦の展開の違いと、ビリーヴの安定した先行力がよく分かります。

ビリーヴの現役最後の着順は2着。
勝ち馬デュランダルとの差はハナ。勝って終わった馬ではありませんが、最後までGⅠの頂点を争った名牝でした。

2003年スプリンターズSの公式結果を確認する(JRA)

ビリーヴ産駒|ジャンダルムがスプリンターズS母子制覇

引退後のビリーヴは繁殖牝馬となり、複数の産駒を送り出しました。代表産駒はフィドゥーシアとジャンダルムです。

ビリーヴの主な産駒
生年 馬名 父 主な実績
2005年 ファリダット Kingmambo オープン特別勝ち、重賞で複数回好走
2007年 カザンリク Kingmambo 中央1勝
2010年 ヴレロワ A.P. Indy 中央未勝利
2012年 フィドゥーシア Medaglia d’Oro アイビスサマーダッシュ2着など
2013年 エリシェヴァ Smart Strike 中央4勝
2015年 ジャンダルム Kitten’s Joy 2022年スプリンターズS

2002年ビリーヴ、2022年ジャンダルム

ビリーヴがスプリンターズSを勝ってから20年後、ジャンダルムが同じGⅠを制しました。2022年のジャンダルムは7番人気。荻野極騎手を背に好位から抜け出し、ウインマーベルをクビ差で退けています。

母はサンデーサイレンス産駒、息子はKitten’s Joy産駒。父は異なりますが、芝1200mのGⅠを勝つスピードが受け継がれました。母が2002年に新潟で勝ち、息子が2022年に中山で勝利したため、異なる開催場での母子制覇でもあります。

ビリーヴの競走成績だけでも名牝と呼ぶに十分ですが、ジャンダルムの勝利によって、その名はスプリンターズSの歴史にもう一度刻まれました。現役時代を知るファンにとって、ジャンダルムの優勝は20年前の記憶を呼び戻す出来事だったと思います。

スプリンターズS歴代勝ち馬|ビリーヴから2025年まで

ビリーヴ以降の歴代勝ち馬を見ると、デュランダル、ロードカナロア、グランアレグリアなど、日本短距離界を代表する馬が並びます。以下は2002年から2025年までの優勝馬です。

元記事で途中までになっていた外国馬の表記は、正式な馬名に修正しました。2010年は「ウルトラファンタジー」、2006年は「テイクオーバーターゲット」、2005年は「サイレントウィットネス」です。

2002~2025年の勝ち馬一覧を開く
  • 2025年 ウインカーネリアン
  • 2024年 ルガル
  • 2023年 ママコチャ
  • 2022年 ジャンダルム
  • 2021年 ピクシーナイト
  • 2020年 グランアレグリア
  • 2019年 タワーオブロンドン
  • 2018年 ファインニードル
  • 2017年 レッドファルクス
  • 2016年 レッドファルクス
  • 2015年 ストレイトガール
  • 2014年 スノードラゴン
  • 2013年 ロードカナロア
  • 2012年 ロードカナロア
  • 2011年 カレンチャン
  • 2010年 ウルトラファンタジー
  • 2009年 ローレルゲレイロ
  • 2008年 スリープレスナイト
  • 2007年 アストンマーチャン
  • 2006年 テイクオーバーターゲット
  • 2005年 サイレントウィットネス
  • 2004年 カルストンライトオ
  • 2003年 デュランダル
  • 2002年 ビリーヴ

この一覧では、2002年のビリーヴと2022年のジャンダルムがちょうど20年離れて並んでいます。血統を知らずに勝ち馬だけを眺めると別々の優勝馬ですが、母子関係を知ると歴代勝ち馬の一覧そのものが一つの物語になります。

スプリンターズS歴代優勝馬の公式一覧を見る(JRA)

ビリーヴの強さを3つのポイントで振り返る

1.好位で流れに乗れる安定した先行力

ビリーヴは逃げ一辺倒の馬ではありませんでした。2002年スプリンターズSではショウナンカンプとアドマイヤコジーンを前に見ながら運び、直線で捉えています。前半から速くなる短距離戦で無理なく好位置につけられることは、大きな武器でした。

2.複数の競馬場で結果を残した対応力

重賞勝利は阪神、新潟、中京、函館。右回りと左回り、中央開催とローカル開催のいずれでも勝っています。特定のコースだけを得意とした馬ではなく、芝1200mという条件で安定して力を発揮しました。

3.5歳秋までトップクラスを守った持続力

初GⅠ制覇は4歳秋。翌5歳春に高松宮記念を勝ち、夏は函館スプリントSを制覇。最後のスプリンターズSもハナ差2着でした。短距離女王として約1年間トップクラスの走りを続けた点も評価したいところです。

ビリーヴについてよくある質問

ビリーヴがスプリンターズSを勝ったのは何年ですか?

2002年です。新潟芝1200mで行われ、武豊騎手が騎乗。1番人気に応え、アドマイヤコジーンを半馬身差で退けました。

なぜ2002年のスプリンターズSは新潟開催だったのですか?

中山競馬場の改修工事に伴う開催日程の変更によるものです。通常は中山芝1200mで行われますが、この年は新潟芝1200mで実施されました。

2002年スプリンターズSの3連複はいくらでしたか?

④ビリーヴ-⑨アドマイヤコジーン-⑪ショウナンカンプで810円。3連複の1番人気でした。上位3頭は単勝1~3番人気でしたが、2番人気と3番人気の着順は入れ替わっています。

ビリーヴのGⅠ勝利は何勝ですか?

2勝です。2002年スプリンターズSと2003年高松宮記念を制しました。

2003年スプリンターズSの結果は?

デュランダルが1着、ビリーヴはハナ差の2着でした。両馬の走破時計は1分08秒0。ビリーヴにとって現役最後のレースです。

ビリーヴとジャンダルムの関係は?

ビリーヴが母、ジャンダルムが息子です。ビリーヴは2002年、ジャンダルムは2022年のスプリンターズSを勝ち、母子制覇を達成しました。

まとめ|ビリーヴは勝利と惜敗の両方が心に残る名牝

ビリーヴの代表的な名勝負は、やはり2002年スプリンターズSです。新潟芝1200mで人気上位馬を相手に1番人気へ応え、条件戦から続く4連勝でGⅠ初制覇を成し遂げました。

しかし、ビリーヴの魅力はこの一戦だけではありません。翌春の高松宮記念でGⅠ2勝目を挙げ、函館スプリントSでは斤量を背負って勝利。引退戦ではデュランダルとハナ差の接戦を演じています。

個人的には、2002年スプリンターズSで3連複を買えなかった思い出も消えません。馬券は外れましたが、その悔しさがあるからこそ、ビリーヴ、アドマイヤコジーン、ショウナンカンプが並んだゴール前を今も覚えています。

そして20年後、息子ジャンダルムがスプリンターズSを勝利しました。現役時代の強さだけでなく、次の世代へ短距離GⅠの物語をつないだことまで含めて、ビリーヴは歴代スプリンターズS勝ち馬の中でも忘れられない一頭です。

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